Translate


出演情報

最新の出演情報などは以下のweb、Twitterにてご確認下さい。


webhttp://masanorikikuzawa.strikingly.com
Twitterhttps://twitter.com/renonremon

2015年3月13日金曜日

TRASHMASTERS VOL.22 「砂の骨」シアタートラムにて

TRASHMASTERS VOL.22 「砂の骨」シアタートラムにて観劇。
日本の格差問題、政治、仕事、芸術、ありとあらゆる現実問題が描かれていました。
お金のあるなしのみが成功と幸福の尺度となっていることがすべての問題。

パリでは毎日、たくさんの人が鼻歌や歌を歌っている。中心地で出会う豊かそうな人も、蚤の市で出会うどう見ても豊かでない人も。確かに物価は高い。けれど朝の市では野菜が安く、例えばトマトが1キロ1ユーロ(138円)で買えるし、蚤の市ではしっかしした靴やコートやセーターが高くとも10ユーロ(1380円)以下で買える。0.5ユーロ(70円)のセーターでさえ、日本では4000円くらいしそうな代物だ。美術館も高いもので12ユーロ、街を歩けば1900年代以前のアールヌーボー全盛期の建物からアールデコ、モダンにいたる建築の歴史を体感できるし、お金がある人もない人も最高の文化を享受できる状況にある。格差社会だなんだと騒ぐけれど、何を持って貧しいと感じているのか、もう一度考えてみる必要がある。

ブランド品を持って料亭でご飯を食べ豪邸に住みジェット機で週に一度は海外旅行に行く。
これが最高の幸せだとしたら、何かバカみたいだなって思う。
描かれたイメージのうわべをなぞる生き方って、自分の人生を侮辱する行為でしかない。

自分の足でしっかり立って、自分の手でしっかり稼いで、家族や大切な友人たちと心のある付き合いをして、自分で選んだ安くて良質な食材で食事をして、身の回りにあるものにしっかり愛情を注いで暮らしていけたなら、「年収がいくらか?」なんて何の関係がある??

パリの人たちは護ってきた、戦ってきたんだ。文化と美意識のために。でもそれっておおげさなことじゃなくて、年収のことで騒ぐ暇あったら壁に一枚、素敵な絵をかけてみようよとか、いつも素通りしているあの家の、いつもこっち見てる犬の頭を愛情持って撫でてみようよとか、そういうことなんだと思う。お金があってもなくても暗い顔。お金がないからって暗い顔してる人は、お金があってもきっと暗い顔をする。すべてそう。今の自分は今の自分でしかないのに。明日の朝死んじゃう運命だったら、今日の夕日は人生で最後に見る夕日。年収なんて何の関係があるの??

もちろんお芝居だから、キャラクターはある程度デフォルメされていると思うし、お話もそうだとは思うけれど、もしこれが現実なら、そこに生きていなくてよかったなと思うとともに、さらに今の生き方をおし進めていかなくてはと心に強く誓った三時間。有意義な時間でした。

0 件のコメント:

コメントを投稿