少し涼しくなった夏。
このままいって欲しいけれど、うだるような暑さの中で何も考えられないままひた走る感覚も夏ならでは。
園子温監督おすすめの映画「ソーシャルネットワーク」を見る。
Facebookの映画かあと気にしていなかったのだけれど、元気のいい映画で楽しかった。
スティーブ・ジョブズもそうだけど、パソコン業界の開拓者は本物の曲者が多くて面白い。
60年代のロックの時代のようにアナーキーなエネルギーに充ちている。
ジョン・レノンやブライアン・ジョーンズみたいな連中がゴロゴロしている。
開拓がある程度すんで業界が落ち着いてくると、今度はニコニコした灰色の男たちがやってきて、少しのお金と引き換えにその業界の魂を抜いて骨抜きにして全てを殺してしまう。
その世界のカリスマたちの大半も若くして死ぬか、ニコニコして業界の絞りかすを舐めながら細々と生きていくかの選択を突きつけられる。
それでもまだ本物の種は次から次から芽生えてくる。
その本物をどうやって掴むのかが問題だ。
根腐れしてしまう前に。
「みんなを怒らせろ」と寺山修司は言った。
日々の覚悟。
日々の覚悟だ。
芝居にはまだ怒りはあるか。
映画のためにいくつかの気になる事件のノンフィクションを読んでいるが、気分が悪くなる。
あり得ない事件には大きな共通点がある。
加害者にはそれに相応しい被害者がいて、それに加えてその犯罪を許してしまう地域の雰囲気がきちんと形成されているということだ。
人は日々の生活の中で、いつでもたくみに他者とパワーバランスを取りながら生きている。
そのパワーバランスが21:79の時まではギリギリ社会と折り合いがついていても、20:80になった瞬間に社会の常識を大きく振り切ってしまい、しかもそれが徐々に進行してきたものの場合、大半の人がそれに気付けない状態に入ってしまっている。
そこまでいけば、後は一気に0:100。
オール・オア・ナッシングの世界。
ヒトラーもいきなりユダヤ人を殺しまくっていたら、ただの人殺しで終わっていただろう。
はじめにある性質を持った土壌があって、そこに相応しい植物が生えて成長してくる。
映画がどうなるか分からないけど、こうした人間存在の不思議な面白さはずっと撮り続けていきたいテーマだ。
予算が一万円しか無くても、スタッフが一人もいなくても、そんなことは関係ない。
撮りたいものは、あるぞ。
携帯ひとつで撮れるようになった映画の世界がこれから最も熱くなってくる気がしている。
「人民の敵」のテーマでもあるけれど、マイノリティの中に真実(面白いもの)があるからだ。
好かれるくらいなら嫌われよう。
ワイルドサイドを歩こう。
2015年8月13日木曜日
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