2020年6月26日金曜日
日々進んでいくこと。
何かをつくるとき、限界を突破しようと全速力になればなるほど、そこには綻びがうまれ破綻する可能性も出てくる。破綻すれば理解されにくくなり、理解されなければ嫌われる可能性も出てくる。けれどそこでおそれていてはだめだ。日本の状況がここまできてしまうと、わかりやすいもの、愛されやすいものを大量生産するのが一番楽な道だということは分かる。自分のできる範囲で見栄えや手触りのいいものをつくり続けるのが一番安全な道だ。でも芸術ってそんなものじゃない。工業製品ではないのだから。自分の内側が拡張したら、以前と同じものはつくれなくなる。もっと先へ行きたくなる。行ったことがない場所へ行くのだから、迷う、ぶつかる、とまどう、失敗する。それらすべてを作品にこめていく。そしてまたつくることで芸術家の精神は先へ進む。残された作品はその排泄物にすぎないのだから美しく取り繕う必要はないし、売れるかどうかを気にする必要もない。先へ進んだことを感じたなら、また先へ進む。一歩でも二歩でも前へ誰も到達したことのない場所へ進んでいくこと。それだけが日々つくり続ける者の使命だと信じている。
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