昨夜は熊本にあるギャラリーキムラにて、劇団きららの「ガムガムファイター」を観てきました。
昨年2月に出演した「シラノ・ド・ベルジュラック」で一緒だった生まれも育ちも同郷の有門正太郎さんも出演していて、今この時期にこの場所で初日に足を運べるのはこれも何かの縁以外にありません。
まず会場に入って最前列中央に座りパンフを開き、そこに書かれている主宰で作・演出の池田美樹さんの文章を読んですでにもう泣きそうになりながら芝居の幕が開きました。
それはもう最高にすさまじい芝居でした。
今、思い返しても声をあげて泣きそうになるシーンやセリフが、愚直という言葉がよく似合う丹念さで積み重ねられており螺旋を描いて上昇しながら潮が満ちていくように、砂浜で寝ているうちにいつの間にか波にさらわれるようにして感情の深い海の底にのまれていきます。
「つくる」ということがどういうことなのかを強い痛みとともに教えてくれます。
この舞台をつくるためにどれだけの代償を払ったのだろうか。
こんな風にものをつくり続けたいし、こんな風にものをつくる人たちとものをつくっていきたい。
いや、つくり続けるのだ、つくっていくのだ。
シラノの初演再演と人生の節目で挑み続けた舞台で一緒に戦った人たちが、まだこっちで戦いながらもがき続けてひとつの舞台として結晶してかたちにし続けてくれている。
どんだけお金があったって、どんだけ地位や名声があったって、こういう作品がつくれなかったら、その人生は無意味だ。
なにをつくりたいのか、何を求めているのか、もっともっとソリッドになって突き詰めていこう。
自分が出て行った九州に、そう思わせてくれる人たちがいたんだってことに改めて気づく。
カスカスの薄っぺらはごめんだ。
どこを切ってもそこから血が噴き出すような、本当に生きているものをつくるんだ。
本番観たあと、みんなで飯食って、有門さんと二人で歩いて帰って、ホテルの前での別れ際、たぶんこれでまたしばらく会うことはないけれど、違う場所で、それでもお互い絶対につくるもののテンションは落とさないぞっていう決意を無言で確かめ合った。
一番辛い時期をお互い知ってるからね。
そこそこのものばかりがいくつもある必要はなくて、本物がひとつかふたつあればいいんだ。
本当に、それでいいんだ。
九州になぜ来たのか、このためだったのかな。
これだけ書いても昨夜の感動は一割だって描ききれていない。
とにかく今、何をおいても観てみて欲しい舞台。
熊本公演は11月17日まで。
福岡公演は12月5・6日です。
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2015年11月12日木曜日
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