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2016年12月20日火曜日

TOMORROW

この映画、ぜひ見たい。
うちの最寄り駅前の商店街、住みはじめた6年前は豆腐屋や花屋、服の仕立て屋さんや八百屋さんなど個人経営のお店がたくさんあった。今、気がつくとそれらのお店が次々と閉まっていき、そこに何の面白味もないビルやアパートが建てられていき、お店がどんどん孤立していき残った商店街の人たちは嘆いている。江戸時代の身分や職業を固定する制度って実はとっても良い制度だったんじゃないかとどこかで思いながら、寂しくなっていく商店街を見つめている。景気がどんどん落ち込むと、人は自分の身を守ることでせいいっぱいになってしまうみたいだ。

世の中を見てもとてもまともな未来がこの日本に訪れるようには感じられないのだけれど、他の人はどう思っているのかな。もし自分に子供がいたら、子供のことが心配で死んでしまうかも知れない。今後、景気が良くなることはないと思う。景気をつくるのは結局人だから、人に目を向けない社会が良くなるはずがない。格差は広がり、大多数が貧困にあえぎ、徴兵がはじまって、とられるのはまた貧しい人たちの子供だろう。そうはならない、日本は必ず明るくなるってみんな信じているのかな。だから何もアクションしないのかな。自分に子供がいる人ですら。

どんどん寂しくなっていく駅前の商店街を見てるだけでも、この国が今何をしていて、どうなろうとしているのかは想像出来る。まだ経営している米屋さん。全てを玄米から適正価格で販売し、販売する全ての米のことをお客さんに説明するために、違う種類のお米を毎回三合ずつ炊いて、夫婦二人だから食べられない分は近所に配っているそう。二人ともすごくお米を愛していて、誠実で力強い対応で、いつも元気をもらっている。でも息子二人が継がないそうなので、下手するとあと数年で消えてしまうかも知れない。自分に出来ることは今はお米をそこで買うことだけ、そして二人の貴重な話をたくさん聞かせてもらって、「がんばって下さい!」って声をかけて帰るだけ。「おう、がんばるよ!」って親父さんの言葉を背に、「誰かこの米屋の灯を継いでくれ!俺は役者で、映画監督なんだ!今回の人生で米屋を継ぐことは出来ないよ!」と心の中で叫ぶことしか出来ない。

行きつけの古本屋のおっちゃんもそうだよ。
高い技術と経験を持って誠実に商売してる人たちから先に消されようとしている。
必要でないものとされている。

本当にいいものが見えなくなってる。
本当にいいものが消えていこうとしている。
でも誰も気がつかないし、声も上げない。
ただ明日の自分の生活費だけが、何とかなればそれでいいのだ。
自分が遊ぶための金が。

近所で誠実に商売している大好きな親父さんやおかみさんのように自分も舞台や映画をつくる。「難しくって、ワケわかんねえや」って言われるだろうけど、それでも。
自分の力で出来ることはあるはずだから、やらなきゃいけない。
消えていった豆腐屋さんや八百屋さん、いい顔してたもんな。
ああいういい顔をしてみんなが生きていける道を、つくらなきゃいけないんだ。
考えないと、いけないんだ。
この映画が正解だとは限らない。
でも考えるきっかけとして何かがないと、何もはじまらない内に全てが終わってしまう。

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