現在出演中のアンジェリカ・リデルの舞台「¿Qué haré yo con esta espada?」の戯曲の日本語訳の表現のチェック。通訳も担当してくれていた翻訳者のマキコさんから頼まれていたのをようやく終える。すごいエネルギーにあてられて高揚する。改めて日本語で読むアンジェリカの言葉は鮮烈。これは日本人にこそ伝える(叩きつける)べきメッセージであると確信する。現代と神話と宗教と哲学、最底辺から至高まで一気に駆け抜け、観客を挑発しながら説き伏せていくアンジェリカ一流の詩的創造力。今、夢中になって読んでいる現代ドイツの作家たちとは一味違う、現実と幻想を分けて考えないスペイン人特有の愛すべきその能力。まずはぜひ戯曲の出版を実現させ、その上で舞台の上演を実現させたい。これは日本でやるべき舞台。あの小柄でお茶目で優しく愛情に溢れたアンジェリカがなぜ舞台でこの強烈で残酷な言葉を自らの口から吐き出さずにいられないのか。世界は今、そうやって語らざるをえない状況だからだ。
生贄、という言葉がふいに浮かぶ。
世界は生贄を必要としている。
舞台という儀式の中で。
十字架に架かるイエスのように。
舞台は知的なお遊びの場では決してない。
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