何でもなく慣れきってしまっていた日常が揺らぐとき、改めて自分がたくさんの人の善意と優しさ、信頼に支えられていたことに気付く。ぼーっとして生きている。右へ行くのか左へ行くのか、今何が必要なのか、とても簡単なひとつふたつのことでさえ決めてないまま、ただ前の人が並んでいる何の行列だかも分からない行列に並んでいる。そこは自分の目指している入口ではないのに。よく見れば隣に誰も並んでいない入口があるのに。声の大きな、優しそうで、何か信頼できそうな人が「こっちです」と言えばそっちへ行く。行った先でまた迷う。ある人たちににとってはこんな都合のいい人々はないだろう。もっと自分で考えなければ。動物園で行くあてもなくうろうろと同じ場所を一日中うろつき回っている動物を、笑うことは誰にもできない。あんな檻なんていつでも壊せるし、飛び越えて逃げ出すこともできるのに。
それは誰でもない、自分のことだ。
それは誰でもない、自分のことだ。
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