新中野の「風みどり」にて、松岡千明さんの一人芝居「鈍色の、ブルウ。」を観劇。
かつてコロブチカに出演したときに演出助手でお世話になったのですが、今回は作・演出・出演・その他いっさいの何もかもをすべて一人、会場に行くと受付さえもたった一人でやっていました。
お客さんの他は彼女一人だけの劇場。
しかも4日間で20公演。
すさまじいパワーです。
いい芝居でした。
まずタイトルがいいなと思っていましたが、太宰治の小説をうまくコラージュしていて、どこまでが小説でどこからが創作なのか分からない絶妙の構成。
道具の使い方も面白く、絵具を手紙にしたり、自分で剥いた玉葱を妹にしたり、見立てのイメージが秀逸で新鮮でした。
何だか申し訳なさそうに演じる演技が一人芝居には逆に効果的で、太宰の世界によくはまっていたように思います。
観る人と観られる人しか存在しない場所。
芝居が劇場を生み出していく。
何でもない場所が劇場になっていく瞬間。
一人芝居は観るのもやるのもあまり興味がなかったのですが、こんな一人芝居だったらまた観てみたいし、自分でもやってみたいなと思わせてくれる素敵な芝居でした。
ありがとうございました。
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