札幌で訪れた時計台。
期待外れ度No.1と言われてドキドキしながら行ったのですが、古い建築物好きの自分には最高の場所でした。
豊橋で出会ったある絵をきっかけに今、夢中で読んでいる小説(もうすぐ終わる、さみしい)「虚無への供物」の作者である中井英夫さんのお祖父さんである誠太郎さんが、この時計台を構想したクラーク博士の弟子だということで、中にある展示資料をいろいろ調べてみたのですが、誠太郎さんは見つけられませんでした。
誠太郎さんが北海道へ連れていったという内村鑑三さんや新渡戸稲造さんは紹介されていたのですが残念です。
またいつか会えるかな。
中は演武場だったこともあって広い空間で味わい深かったのですが、何より一番、お土産物屋さんがよかったです。
地に足のついた品物ばかりで、その買ったお土産を入れる袋が薄っぺらな白い紙で出来ていて、それに時計台のスタンプがおしてあるだけの素朴な素朴な逸品。
何よりもその袋が欲しいと思いました。
ちょうど10時になって鐘が10回鳴りました。
「鐘が聴きたいなら午前中が一番だよ。たくさん鳴るからね」とお店の方が。
昔、辺りに何も無かった頃、この鐘の音がはるか彼方まで響いていたそうです。
ああ、ロマン。
ロマンさえあれば、他に何もなくとも笑って生きていける。
北海道にはまだまだたくさんロマンの欠片が残っている。
そう感じる時計台でした。
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