『神さまってなに?』森達也 著
ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、仏教について特に詳しく分かりやすく書かれています。イスラエルに行った時のあの不思議な安らぎの雰囲気の理由と、やたら危ないイメージを持たれている理由の両方がよく分かりました。日本人は無宗教だとよく言うけれど、宗教について考えたことのない人は無宗教を語ることも出来ません。有とか無の前にそもそも宗教の概念を持っていないのだから。
スペイン人の友人に宗教は何かと聞かれ「仏教だ」と答え、「じゃあ、ブッダのことを教えて」と言われてうろ覚えのブッダの話をしながら、「うーん、自分にとっての仏教の存在意義ってなに??」と心から思ったあのイスラエルの夜のこと。人が死んだときだけやってきて、さんざん足を痺れさせたあとにちょっといい話をして、お金を持ってそそくさと帰っていく人。あの人たちに果たして宗教はあるのでしょうか?
共同体の問題として、宗教の問題は大きすぎるぐらい大きい。
けれどその宗教に片足突っ込みながら、眼をそらし続ける日本と日本人。
特定の何かに属する必要はまったくないとは思うけれど、クリスマスにバレンタイン、神社のお参り、お通夜に葬式、お墓の意味と、自分にとっての「信じる何か」については、しっかり考えていく必要があると考えます。そもそも無宗教の人はそんな儀式、一切やらないはずですから。
自分の神様。自分の宗教。自分の信じるもの。
せめてそれだけは見極めてから、死にたいと思います。
2017年6月29日木曜日
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