冒頭の川の流れに水草が揺れている画だけで満足。
それが165分続く。
映画は美術館。
まずその建物を見て感動し、
中に入って絵を見る。
少し歩いて、隣の絵を見る。
気に入った絵があったら、
少し立ち止まってゆっくり眺める。
気がすんだら隣の絵に。
彫刻なんかも置いてある。
つかれたら少し座って、
気に入った大きな絵をぼんやりしながら眺める。
その絵と、隣の絵に、関係はない。
ただ並んで、壁にかけられている。
けれど美術館を出た時に、
観たもの全体を、全体として感じる。
そこに意味なんてない。
ストーリーもない。
面白いとか面白くないとかではなく、
もちろん共感なんて求めてこない。
一枚一枚が完全に独立した状態でありながら、
ただ全体として在る。
だから時間が経った時、
もう一回観たくなる。
そして観た時、
それはもう形を変えていて、
同じ映画ではない。
かかっている絵は同じなのに。
自分が心底「ああ、いい映画だな」って、
感じるのはそんな映画。
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