「片腕」上海ツアー二日目は、劇場入りまで時間があったので、ノゾエさんと二人で上海見物をしました。
少しずつその様子を。
まずホテルを出て上海展覧中心を目指して歩き始め、静安寺近くの歩道橋で二胡を弾くお爺さんに出会いました。
お金を缶に入れると見えているのかいないのか分からない眼をこちらに向けてニカッと笑います。
味のあるいい演奏でした。
きちんと整備された歩道橋の上だったので、このお爺さんの存在がひときわ際立っていました。
上海は物価もたいして日本と変わらないし、紙のないトイレにも出会わなかったし、空気も言われているほど汚くありません。
見た感じは東京にも勝る美しい大都市なのだけれど、こうしたきれいさのちょっとしたほころびの中から貧しさや汚さやどうしようもなさが顔をチラッチラッと見せる瞬間があって、それを見るたびに中国が好きになります。
東京の地下鉄の通路なんかより何倍も美しい通路で「これ、誰が買うの??」って聞きたくなるような物を売ってる物売りがずらっと並んでいたり。
人民公園という大きな公園の隅っこで、誰に聴かせるのか、何のためにやっているのか、スマホを耳に当て、そこから流れる音楽に合わせて延々指笛を吹き続けている人がいたり。鳥がその指笛に応えて一緒に美しい声で歌っていました。
まさに「きれいはきたない、きたないはきれい」の世界。
世界の本質ここにあり。
汚ないものを排除せず、どのように受け入れていけるのかというところにその世界の豊かさが見えてくる気がします。
そんな国の方々の前で芝居をやるのだな、とその日の夜の公演に向けていい緊張感が出来てきたのを覚えています。
世界の中でも特殊な日本のルールやシステムを当たり前だと思っていると、世界の中ではたくましくやっていけないのだなと痛感。
芝居も人生ももっともっとタフにいかなくちゃと強く感じた上海の3日間なのでした。
2014年11月21日金曜日
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