「フジタ、夢をみる手」@ポーラ ミュージアム アネックス
第二次大戦後、1950-60年代のフジタの作品を約40点ほど展示。
作品数は少ないですが、「グロテスク」や「シレーヌ」「オランダの少女たち」など見所のある作品が並んでいます。
大戦中、従軍画家として軍に協力したため、戦後は半ば戦犯扱いにされ、他にも戦争に協力した画家はたくさんいたにもかかわらず、ただ一人責任を取るようなかたちで日本を去りフランスに帰化していったフジタ。
その心中に何を抱えていたのかははかりかねますが、その絵の中にこめられているものがあるのかも知れません。
長く離れていた故郷である日本に、戦争画を描くことで協力できることをこの上なく名誉に感じていたフジタにとって、日本の敗戦とその後の手のひらを返したかのような非難は、その心にとてつもない傷を残したことでしょう。
フジタは日本を離れ、日本はフジタを失いました。
大戦後に再びパリをめざし、神話や宗教、子どもや擬人化された動物たちに主題をうつながら、明らかに変化をみせるフジタの芸術の中に、フジタの想いを読み取ることが出来るかも知れません。
1920年代、パリで成功をつかんだ頃の絵とは明らかに何かが違います。
静かな、何かが流れています。
12月28日まで。
2014年11月27日木曜日
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