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出演情報

最新の出演情報などは以下のweb、Twitterにてご確認下さい。


webhttp://masanorikikuzawa.strikingly.com
Twitterhttps://twitter.com/renonremon

2015年5月31日日曜日

篠田桃紅さん

大阪千秋楽、ご来場いただいたみなさん、本当にありがとうございました。

様々なことを考え感じながらのツアーの真っ最中、先日見た102歳の美術家、篠田桃紅さんのドキュメンタリー番組が凄まじい破壊力を持って迫ってきました。

自分の中にわき上がっていた問いに、ひとつの答えを与えてくれました。

まだまだツアーははじまったばかりですが、桃紅さんの言葉をよく噛みしめながら、日々の芝居にしっかり向き合っていきます。

すごい人がいるもんだ。
さあさあ、次は兵庫へ。


人生というのは究極に孤独
孤独は生き物の当然の形
人間はみなムダなことばかりやってる
人はこわくて真実に向き合えないのよ
篠田桃紅

フェスティバルホール

大阪千秋楽。

フェスティバルホールのロビーは照明がきれいで星のよう、絨毯もフカフカで絶好のストレッチ環境。

やり残しのないように。

2015年5月29日金曜日

自分だけの楽しみとして

南蛮文化を心ゆくまで堪能したあと、南蛮文化館のパンフレットにこの中津周辺が芸術と文化を育むエリアとして注目されていると書かれていたので散策をはじめてみました。

するとさっそく朽ち果てたガード下にチャップリンの巨大な壁画が。
面白そうな匂いに誘われて歩いていくとポツポツといい店に出くわします。

本当にポツポツなので、観光目当てで来た人には物足りないくらいなのですが、お店のひとつひとつは個性的で味わいがあります。

中崎町のように観光地化するにはお店が少なすぎるのですが、そこがまたいいのです。

しなびた商店街の中、糠漬けを売っているおばちゃんのお店の横に自主製作の本ばかり並んでいる不思議な本屋があったりします。

観光地化して欲しくないので、ぜひこのポツポツした感じを守ってくれぐれもガイドブックに載ったりしないようにがんばってもらいたいです。

やたら人がいるスカッスカの場所より、いいモノがいっぱいあるのに誰も気付いていないような場所の方が面白いに決まってますから。

カフェで売ってた古着も安くていいものいっぱいでした。
でも本当にポツポツなので、くれぐれも期待して行かないように、ひっそりと自分だけの楽しみとしてお楽しみ下さいませ。

南蛮文化館もおすすめです。

南蛮文化をひとりじめ

北梅田から歩いてすぐ、阪急中津駅近くにある南蛮文化館へ。
1543年、ポルトガル人が種子島に漂着したときから伝わった南蛮文化の優れものが目白押しでした。

特に何の説明もなく無造作にいろんなものが展示されているため、詳しい年代は分かりませんが、1500〜1700年辺りの絵画、漆芸、金工、陶磁、その他、様々なお宝に触れることが出来ました。

ルーブル美術館で見たような木製の聖母子像やザビエル像をはじめ、七宝製の十字架や、日本での南蛮人の生活を描いた南蛮屏風など見るべきものは多かったです。

野田版「フィガロの結婚」は黒船に乗って南蛮人が日本にやってくるところから物語がはじまるので、その時代の日本の工芸品を通じてその当時の人々の生活や気分に触れることができたのは大きな収穫でした。

お客さんはほぼ自分だけ、南蛮文化をひとりじめです。

しかし当時の日本人の職人のもの作りの技術は素晴らしいです。
美意識と遊び心、昔の日本の人々はとても高く、豊かな文化を持っていたのですね。

「フィガロの結婚」大阪へ

「フィガロの結婚」、大盛況で迎えた金沢での初日を終え、次の公演地である大阪へ。

フェスティバルホールは大きくて素晴らしい劇場です。
初日が成功したとて油断は出来ません。

どんどんよくしていきます。
当日券も出ておりますので、ぜひぜひ足をお運び下さい。

2015年5月27日水曜日

金沢にてウィリアム・モリスに出会うこと

金沢を巡ることのできる最後の日は行き残していた成巽閣、21世紀美術館の有料エリア、室生犀星記念館、にし茶屋街、金沢モリス教会を回りました。

成巽閣は文久3年に前田家13代齊泰が母堂にあたる12代奥方、真龍院のために造営した奥方御殿です。

檜の一枚板に花鳥を透かし彫りにした欄間が美しい「謁見の間」と、鮮やかな群青色の「群青の間」が印象的でした。

21世紀美術館では再び入れるようになったばかりの「スイミング・プール」の水の下から空を眺めました。

そして散歩しながら西へ。
「世界で2番めに美味しい焼きたてメロンパンアイス」のメロンパンアイスを食べながら犀川を渡りました。

室生犀星記念館は小さいけれどもしっかりした展示、「風立ちぬ」の堀辰雄展が開催中でした。

にし茶屋街では手造り中谷とうふのさっぱりとした豆乳ソフトをいただき、金沢市西茶屋資料館で紹介されていた小説家、島田清次郎の数奇な人生に興味を持ちました。

そして犀川沿いにある金沢モリス教会へ。
もともと地図でその名を見たときにモリスってあのモリス?と思っていたのですが、やはり予感は的中、アーツ・アンド・クラフト運動の創始者であるウィリアム・モリスに縁のある教会でした。

モリスが1859年に結婚したときに建てた新居「レッド・ハウス」を復元した素晴らしい建物で、はじめ建物の外観を見たときに、「これは!?」と思い、中に入ってみるといつも資料でしか目にしたことのなかったモリスのデザインのあの壁紙、テキスタイル、ファブリック、ステンドグラスが!

感動でした。
モリスのファンとしてこの教会を訪れたことを教会の方に驚かれましたが、再び金沢に来たときも必ず立ち寄り、次は1日中過ごすつもりです。

アートとクラフトの街、金沢。
街の規模に対する文化施設の数、歴史的建造物の数、その文化度の高さ、街並みの美しさはおそらく日本一でしょう。
最後の最後まで刺激を与えてくれます。

2015年5月25日月曜日

竹久夢二の湯涌温泉

湯涌温泉へ。
竹久夢二が愛する彦乃さんと滞在した温泉街です。

金沢湯涌夢二館に足を運び、温泉で稽古の疲れを流し、蛍が出るほどの清流が流れている湯涌の街を散策しました。

何もありませんが、田んぼや川や空を眺めているだけで、いい気分です。

夢二も金沢の土壁が続く街並みに魅せられ、「金沢には壁がある」と語り、「壁をたづねて」という紀行文まで出版したそうです。

本当に金沢の壁には不思議な魅力があるのです。
その手触りも、雰囲気も。


ああ、すべてに別れたい
そして旅人の心ですべてを見なおしたい
竹久夢二

敵は敵国ではなく、戦争を始めさせる人々

せせらぎ通りから武家屋敷街へ。
一番のお目当ては金沢市聖霊修道院聖道。

スイス人のマックス・ヒンデルさんがロマネスク様式を忠実に再現した木造平屋建ての聖道です。

信者のみなさんで手作りしたのではないだろうかと思うほどの、ハンドメイド感溢れる仕上げが聖道への愛情を感じさせてくれます。

こんなにいい聖道にも関わらず観光客はまったく訪れずひっそりとしているので、畳の上で好きなだけ独り占めできる贅沢な空間です。

教会によくある荘厳な感じはまったくなくて、懐かしい場所に帰ってきたような雰囲気なので、訳もなく涙が出てきます。

こんな教会なら、毎日ミサに通ってもいいなと思えるほど、いい空間でした。

12時の教会の鐘を聴きながら、近くの古書店「オヨヨ書林」にて本を探して至福のひととき。

本日の収穫
ペーター「文芸復興」
永井荷風「江戸芸術論」
マンディアルグ「ボマルツォの怪物」
メリメ「カルメン」


戦争は始まってしまえば
それは「負け」です
戦争で得をするほんの少しの人々に
私達みんなで負けるのです

敵をみまちがえてはいけません
敵は敵国ではありません
敵は戦争を始めさせる人々です

教会の掲示板に貼ってあったポスターより


430年間戦火を逃れてきたこの金沢の高い文化度を見ていると、戦争のお陰で日本がどれだけの文化的犠牲を支払ってきたのかが分かります。

金沢の文化は素晴らしい。
それは日本の財産です。
それが残ったのは戦火を逃れたからこそ。

それでも金沢城が第二次大戦中に日本軍から受けた被害は甚大です。

暴力で事を解決しようとするのはコミュニケーションの手段としては下の下の下。

しっかりした文化があれば、武力がなくとも尊敬と畏怖の念を世界中から受けることが出来るのに。

日本の政治家がその事に気付くまで、どれだけの犠牲を払うのか。
センスのある政治を心から求めます。


せんそうはすべての「愛」をこわす。
すべての「美」をこわす。
すべての人間の「心」をこわす。

2015年5月24日日曜日

金沢城公園と兼六園

美術館巡りでインドアが続いたので今日はアウトドア、金沢城公園と兼六園へと足を運びました。

金沢城公園では「野面積み」「打ち込みハギ」「切り込みハギ」をはじめとする石垣を堪能しました。

特に三十軒長屋は、なまこ壁と石垣の組み合わせが素晴らしく、しかも今日は特別に中を公開している日だったので、渋い木造建築の木の肌の手触りを楽しみました。

素晴らしい建築は触感を刺激してきます。

休憩所でボランティアのガイドさんが金沢城が辿った数奇な運命を詳しく教えて下さったので、またひとつ金沢に詳しくなりました。

大人気のひゃくまんさんにも出会えて大満足です。

兼六園はさすがの特別名勝、見所がたくさんあり、自分なりの楽しみ方でゆっくり時間を過ごせる場所でした。

カキツバタが一番いい時期で一面の淡い藍色が美しかったです。
噴水や根上松に内橋亭のあんころ…。

最高の時間でした。

「フィガロの結婚」はついにオーケストラとの合同リハーサル。
オーケストラの音に乗せられて、オペラに血が通ってきました。

モーツァルトの名曲を生で聴きながら芝居ができるなんて最高!
これは楽しまなきゃ損!ですね。

2015年5月22日金曜日

鈴木大拙館と中村記念美術館

「フィガロの結婚」の劇場となる金沢歌劇座のすぐ近くにある、鈴木大拙館と中村記念美術館へ。

鈴木大拙さんは金沢が生んだ仏教哲学者で、禅の思想を世界中に広めた人です。

鈴木大拙館は小立野台地から続く斜面緑地を背景に、3つの棟と3つの庭からなる空間で構成されていて、特に水鏡の庭の静けさと、その背後の迫力ある自然のコントラストが素晴らしいです。

街の中にこんな空間があるなんて。
しばし時を忘れました。

中村記念美術館は「茶道具の次第」展。

茶道具だけでなく、それを保管するための箱や伝来書や折紙、付属品などもまとめて展示。
それらの付属品たちのことを「次第」と呼ぶそうです。

箱が古くなればさらにそれを入れるための箱が用意されるため、3つも4つもマトリョーシカのように幾重にも箱に入れられた歴史ある茶器もあります。

ここでもまた数多くの名品に出会うことが出来ました。

さあ、そしていよいよ「フィガロの結婚」も小屋入りです!
一歩一歩進んでいきます。

文化こそ、財産。

金沢城のお堀を通りながら金沢21世紀美術館の方へ。

途中の尾山神社には五彩のギヤマンがシンボルの美しい神門が。
特にそのアーチの石組みの色彩と手触りが絶妙で、昨日の柳宗理さんの食器や家具で感じた触感のよさに共通するものを感じました。

しいのき迎賓館のギャラリーで見た写真グループの展示に刺激をもらいながら、21世紀美術館へ。
「タレルの部屋」をはじめとする無料の交流ゾーンだけで充分に楽しめました。

それからお目当ての石川県立美術館へ足を運び、国宝の「色絵雉香炉」や古九谷をはじめとする古美術を堪能、「加賀前田家 百万石の名宝」展では前田家所有の日本文化の名品をたっぷりと眼に焼き付けてきました。

大好きな宮本三郎さんの大作も二枚見ることができたし、本当に大満足です。

しかしまだまだ行きたい美術館や記念館は目白押し、金沢はパリに匹敵する芸術の街です。

江戸の世に文化政策に活路を見いだした前田家の先見の明が、今の金沢を作り上げています。

文化こそ、財産。

2015年5月20日水曜日

澁澤龍彦と泉鏡花

金沢に生まれた泉鏡花。
その泉鏡花の生家跡に建つ、金沢で一番に行きたかった場所、泉鏡花記念館に足を運びました。

それほど大きな建物ではないので小一時間もあれば見て回ることができます。

なんと今、開催中の特別展は「龍の国から吹く風ー澁澤龍彦展」でした。
シブタツファンとしては、願ってもない企画です。

アルフォンス・アレ「腹の皮のよれるまで」の澁澤さん自筆の表紙に描かれた澁澤さんの絵がとてもいい感じでお気に入りです。

他にもコクトーの自筆の手紙や、サド侯爵の自筆の書簡、金子國義さんの絵画「エロティシズム」や池田満寿夫さんの自筆の弔辞など、なかなか見ることのできないお宝が狭いお部屋にぎっしり。

写真に撮れないので、眼に焼き付けるように見て来ました。

ガラスのような水晶のようなキラキラした文体を持った澁澤龍彦と泉鏡花。
その二人の接点をたっぷり楽しむことができました。

いざ金沢。

やってきました金沢へ。
駅前の金沢音楽堂にドーンと井上さんの顔。
明日の稽古はこちらです。

金沢はスイスのチューリッヒに並んで、430年もの長い間、戦火を逃れてきた町だそうで、古民家の残り方は京都以上に素晴らしく、本物の美しい町並みを残しています。

今日はひがし茶屋街方面に向かい、お目当ての泉鏡花記念館、柳宗悦デザイン研究所、金沢文芸館を訪れ、ひがし茶屋街を廻りました。

地図を見ながら町を歩いていると、おじさんが「道分かるかい?」と声をかけてきてくれたり、人懐っこい人が多くて、いろんな人に金沢の街のことを教えてもらいました。

古いものを大切にしながら新しいものを生み出していく、ヨーロッパに一番近い文化を持った街だと感じました。

素晴らしい町です。
一目惚れです。

2015年5月17日日曜日

笠井叡さんの舞踏・スペシャルオープンクラス

5月末にアーキタンツにて笠井叡さんの舞踏・スペシャルオープンクラスがあります!
興味ある方、ぜひどうぞ!
http://a-tanz.com/2624

2015年5月16日土曜日

マエストロ、井上さん

 
マエストロ、井上さん。
こわもてだけどお洒落でダンディーなかっこいい人。
かっこいいのとかわいいのと、いい車に乗って稽古場に颯爽とやってきます。

2015年5月15日金曜日

井上道義×野田秀樹のタッグでオペラ《フィガロの結婚》を新制作、26日から全国巡演

『フィガロの結婚』が記事になりました。
東京公演のチケットも残り少なくなっております。
観劇予定の方はお早目にどうぞ。

2015年5月12日火曜日

カルチャーショック

本日は嵐の中、「フィガロの結婚」の懇親会でした。

オペラのみなさんとたくさん話をさせていただいて、カルチャーショックと共に役者として見ならうべきところもたくさん教えていただきました。

特に歌い手さんたちの舞台に対する気持ちのよいビジネスライクさやユニオンの結束の強さ、ヒエラルキーのほとんどない社会主義的な舞台への向き合い方などが風通しがよくすっきりしていていいなと感じました。

演劇の人はオペラという環境に、オペラの人は演劇という環境に、必死にシナプスをつなげようというこの状況が、お互いにとって大きな刺激になっています。

バラバラにやってきた部分をつなげていく、ここから本当に面白い作業が始まります。

チケット、東京公演分は残り少なくなっております。
どうぞお早目に。

東京芸術劇場(後期)のサイト

フィガロの結婚 或いは狂おしき一日(1984) 伯爵のアリア

「フィガロの結婚」マルチェ里奈役の森山京子さんからおすすめいただいた斉藤晴彦さんの伯爵のアリア。かっこいいです。忌野清志郎かと思いました。

斉藤晴彦さんと言えば「ロボット8ちゃん」の「赤い夕陽のバラバラマン」。
あの歌も本当にかっこよかったです。

太い年輪を持った巨木のように。
どれだけ時間がかかったっていい、その分だけ幹は太くなっていく。
促成栽培の味のないヘロッヘロはごめんです。

2015年5月9日土曜日

「フィガロの結婚」稽古3日目。

今日は四谷にて夏に出演する舞台のための写真撮影でした。
情報公開はもう少し先ですが、こちらも骨太の作品になりますのでどうぞお楽しみに。

そして「フィガロの結婚」は稽古3日目。
それぞれのアイデアが自然にかさなりはじめ、芝居が動きはじめています。

ラストに向け、この物語の行く末がどこへ向かってゆくのか、分かってはいるけれども、でもどうなるのか分からない、そんな感覚で楽しく激しく稽古は進んでいます。

一歩一歩、確かに踏みしめながら。

2015年5月6日水曜日

すべての犬は天国へ行く

王子小劇場にてぬいぐるみハンタープロデュースの「すべての犬は天国へ行く」を観ました。
そしてここが天国への入口。
演出の池亀三太さんとはコロブチカの舞台でご一緒させていただきました。

ケラリーノ・サンドロヴィッチさんの戯曲が面白いというのももちろんありますが、それに対する現場の「戯曲に負けたくない」というより「戯曲に失礼のないように」という真摯な気持ちをひしひしと感じるいい舞台になっていました。

全員で戯曲に関してよく話し合ったとのこと、その相互理解とチームワークを3時間、すみずみまでしっかりと感じました。

いい舞台を観ると、本当にうれしくていい気分です。
劇場の大小は全く関係ありません。
面白い舞台は宝です。
5月10日まで。


そして明日からいよいよ「フィガロの結婚」稽古スタートです。
どこまでいけるか、一瞬一瞬が勝負です。
必ずいい芝居をお届けします!


「俳優は、なかなか一読者として素直にものをよむことができないんです。これは芝居でも同じで、配役と同時に脚本をもらったりしますと、もう自分の役にばかりつかまってしまう。せりふのあたまにいきなり赤いしるしをつけ、翌日までに覚えこんで得意になったりする。ほんとうは、誰がどの役をやるんでもいい、とにかくその脚本全体が表現している内容を、自分がまず一読者として素直によんで、おもしろがったり感銘をうけたりすることがないのは、俳優自身が俳優という職業によって疎外されてしまうという情けない現象です。」
山本安英

2015年5月5日火曜日

片岡球子展

東京国立近代美術館で開催中の「片岡球子展」へ。
日本画家では一番好きな人。
いつも画集で穴があくほど見ていたあの絵が目の前に。

103歳で亡くなるまで描き続けた80年の画業の集大成、その絵の大きさと質感と迫力に圧倒されました。 絵への情熱、日々の鍛練と挑戦の連続。

若い頃は「落選の神様」と呼ばれたほど入選に苦戦されたそうですが、その経験が長い画業を支える力になったのでしょう。 本物を見れてよかった。

この華やかさと力強さ、滴り落ちるような色気と生命力は永遠に。

『あなたは、みなから、ゲテモノの絵をかくと、ずいぶんいわれています。今のあなたの絵はゲテモノに違いありません。しかし、ゲテモノと本物は、紙一重の差です。あなたは、そのゲテモノを捨ててはいけない。自分で自分の絵にゲロが出るほど描きつづけなさい。そのうちにはっといやになってくる。いつか必ず自分の絵にあきてしまうときが来ます。そのときから、あなたの絵は変わるでしょう。薄紙をはぐように変わってきます。それまでに何年かかるかわかりませんが、あなたの絵を絶対に変えてはなりません。他人が何と言おうとも、そんなことに耳を傾けることはいりません。』
片岡球子が37歳のときに描いた絵を見て小林古径が球子にかけた言葉