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2015年12月21日月曜日

恐怖と欲望とアイズワイドシャットとローラパーマー


スタンリー・キューブリック監督の「恐怖と欲望」「アイズ ワイド シャット」を観る。
「恐怖と欲望」はキューブリック監督の初の長編劇映画、そして「アイズ ワイド シャット」は最後の長編劇映画。

「アイズ ワイド シャット」はイメージしていたのと全く違う映画で面白かった。
特に貸衣装屋での美少女と変態日本人のくだりが馬鹿馬鹿しくてよかった。
主演がトム・クルーズだったので内容が「バニラスカイ」とかぶる感じもしたけれど、こういう内容の映画は好き。
キューブリック監督のコメディとロックンロールの精神がしっかりと感じられる。
最後の映画も究極にインディペンデント。

「恐怖と欲望」は観ていて自分も早く映画を撮りたいと思わせてくれる映画。
ある状況の中で人間の精神がどんどん変化していく様を描くスタンスははじめっから変わっていない。「同じものは撮らない」というスタンスを生涯貫いた監督だからこそ、かえってはっきり変わらないものが見える。
外側は変わっても、撮り続けてきたものは変わっていないということが分かる。
本当に面白い人だ。

デビッド・リンチ監督の「ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の七日間」も観る。
めちゃくちゃでよかった。
はじめに主役で出ていたいかした捜査官の突然の消息不明っぷり、ローラ・パーマーの完璧な二重人格ぶりも理解不能なくらい面白かった。
理解できない部分をあれだけ残しながら、映画を観る楽しみを途切れさせないサービス精神。
同じくリンチ監督の最高傑作(俺の中では)「インランド・エンパイア」で裕木奈江さんが終わりの方に脈絡もなくいきなり出てきて、ものすごく長いセリフをまくしたてるとことか、最高にかっこいい。
インタビューで何となく様子は分かるのだけれど、こういう映画がどうやって撮られたのかは、現場に入ってみない限りは絶対に分からない気がする。
いや、現場に居たらよけい分かんないのかも。

監督の頭を叩き割らない限り、その全貌が見えてこない映画、ドキドキする。

「アイズ ワイド シャット」だと貸衣装屋のシーンとか、ああいう監督が遊びで撮ってるとこにその映画の本質が出てる。
分からない、理解不能な、意味不明な、あるいは意味のない、混乱、混沌、不思議、不安、得体の知れない恐怖、そういったものを抱えながら、だけどキュートで、人を惹きつけてやまないもの。そういったものが面白い。

12月に撮った新作も完成。
でも次が見えてきた。
映画は映画なのだ。
テレビドラマとは決定的に違う何かがある。
そこを突きとめなくちゃ。
映画、撮ろう。早く速く。

「映画のことを大事にするのであれば、どうして他の誰かに監督してもらいたいと思うのか、私にはわからない。」スタンリー・キューブリック

「いやあ、“81/2”では結末は見えてこず、予告編を撮っている時に、思いついたのだ。だが“甘い生活”の結末もすべて予定していたものとはまったく違っていた。どんな風に終わっていたか、思い出しもしないのだが。」フェデリーコ・フェリーニ

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