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出演情報

最新の出演情報などは以下のweb、Twitterにてご確認下さい。


webhttp://masanorikikuzawa.strikingly.com
Twitterhttps://twitter.com/renonremon

2016年11月30日水曜日

アンジェリカ、ある悲劇

【12月1日、入場無料の上映会です】
今年の夏にスペインのエスコリアルで稽古を共にし、アヴィニョン演劇祭でその舞台“¿QUÉ HARÉ YO CON ESTA ESPADA?”を初演したスペインの演出家アンジェリカ・リデルのドキュメンタリー映画『ある悲劇』がセルバンテス文化センターにて12月1日に一夜限りで上映されます。世界に何人か心から尊敬する演出家がいるのですが、アンジェリカはその中でも最高峰の演出家です。激し過ぎる愛と激し過ぎる憎悪から生み出された舞台を臆することなく世界に突きつける彼女の姿勢に自分も大きな影響を受けています。芸術家に必要な勇気を誰よりも持っている女性です。映画をまだ見ていないので内容については語れませんが、彼女の姿勢、まなざし、そしてその勇気を感じることが出来るはずです。ますます甘くなっていく、甘くなっていかざるを得ない日本の芸術全般に満足出来なかったり疑問を感じている人には、何かを見出すチャンスになるかも知れません。自分もアンジェリカと出会って、つくることに対する絶望と希望を目の当たりにし、それでもつくらなければいけないのだという勇気をもらいました。上映後のトークイベントに出演させていただきます。アンジェリカとの日々のこと、彼女が言ったこと、見せてくれたこと、余すとこなくお話しさせていただきます。無料ですし、騙されたと思って気軽に足をお運び下さい。お会い出来るのを楽しみにしています。

アンジェリカ・リデル ドキュメンタリー映画上映
アンジェリカ 『ある悲劇』(2016)
監督:マヌエル・フェルナンデス=バルデス

F/T15『地上に広がる大空(ウェンディ・シンドローム)』で大きな衝撃を与えたスペインの鬼才アンジェリカ・リデル。同作品が初演を迎えるまでの日々を追ったドキュメンタリー映画を特別上映。上映後には、今年7月にアヴィニョン演劇祭で初演されたアンジェリカ・リデル新作『わたし、この剣でどうしよう』に出演した菊沢将憲(俳優・映画監督)と横堀応彦(F/T プログラム・コーディネーター)によるトークセッションを開催します。
*本上映は、セルバンテス文化センター東京主催「映画・音楽フェスティバル ドゥエンデ」のプログラムの一部です。

会場 セルバンテス文化センター東京
地下1階オーディトリアム
日程 12/1(木) 19:00~
上演時間 86分
言語 スペイン語上映、英語・日本語字幕
入場料 入場無料(要予約)
共同主催 フェスティバル/トーキョー、
セルバンテス文化センター東京

“Angelica. A tragedy” (2016)
This documentary by Manuel Fernández-Valdés is about Angélica Liddell, the groundbreaking creator of “All the Sky Above the Earth (Wendyʼs Syndrome)” that was part of F/T15. The actor and film director Masanori Kikuzawa, who appeared in the world premiere of Liddell’s “And what will I do with this sword? Approach of the Law and of the Issue of Beauty” in July at Festival d’Avignon, joins Masahiko Yokobori (F/T Program Coordinator) for a post-screening talk.

Part of Instituto Cervantesʼ Festival de cine y música Duende

Venue Instituto Cervantes (B1F Auditorium)
Date 12/1 (Thu) 19:00
Running Time 86 min.
Language Spanish with English and Japanese subtitles
Tickets Free (reservation required)
Co-presented by Festival/Tokyo, Instituto Cervantes

予約はこちらから
http://tokio.cervantes.es/FichasCultura/Ficha109733_67_25.htm

こちらもぜひお読み下さい。
一緒にトークさせていただく横堀さんの素晴らしいレポートです。
http://www.festival-tokyo.jp/16/ft_focus/vol16/

2016年11月20日日曜日

ノイズの海に泳ぐこと。

音の聴こえない人が目を閉じると、本当に静かで穏やかな世界に行くようです。けれども聴こえる自分にとって音は、決して遮断することが出来ず、どこまでもつきまとってきて、いろんなカタチで感情に影響してくる存在なのです。電車の音、ハイヒールの音、話し声、風の音、音が聴こえない時はありません。そしてそのどの音にもひとつひとつエネルギーがあって、それがいつも心を揺さぶってきます。五感の中でも最も受動的な(いや、逆に最も能動的なのか?)存在である聴覚は、耳から流れ込む様々な音をそれが何の音であるかを分類して整理し、人の心がなるべく掻き乱されることのないようにしているのではないでしょうか。例えば、聞いたことのない音が耳に入ったとき、人は目で見てそれが何の音であるかを確認することでまず安心しようとします。そしてその音を分類し、次に聴いた時はその記憶につなぐことで、目で確認せずとも理解することが出来るようになるのです。もしその機能がうまくいかなかったら、人はすべての音にいちいち反応しなければならず、心はメチャクチャに引き裂かれてしまうはずです。聴こえない人とこうして稽古を共にすることで、聴こえるということに、聴こえてくる音に、どんどん敏感になっていきます。聴こえるということはノイズの海に泳ぐこと。その泳ぎ方を間違えると、きっと溺れてしまうのです。聴こえない人が知っている、本当に静かな世界に憧れます。「ノイズの海」稽古一週目、自分が何を取っ掛かりにして、何を伝えることが出来るのか、今その糸口を見つけようとしています。

2016年11月18日金曜日

人間のために

今年のPFFアワード入選監督で、『おーい、大石』を最初から最後まで熱烈に支持してくれた三浦翔監督の『人間のために』を見せていただく。
中身のぎっちり詰まったものすごい映画だった。
この監督に支持されていたそれだけでもPFF入選はよかったのではないか。
名古屋会場にバスが遅れてスクリーンで見れなかったのを残念に思う。
こちらも言葉にしなければいけないことがとてもたくさんある映画だから。
受け止められるかどうかは、見る側にも責任がある。
今、世の中は『お客様』に自分で考えさせてはいけない時代なのだなと改めて確認する。
毒は『毒のようである』ことが非常に重要で、本当の毒は受け容れられない。
本当の毒は見て見ぬふり。
でもまったくそれが悪いとは思わない。
それでいいのだ。いや、それがいいのだ。素晴らしい時代!ビューティフル・ワールド!
でも自分はそうじゃないから、そうじゃない自分に向けてつくる。
自分がいいと思うのに、何にもなってない作品が持っている共通点は分かった。
はっきりと見えてきた。
そして自分も、それを持っている。
それが宝だ。
誰にもこれは売り渡しちゃいけない。
何にもならなくってそのまま死んだっていいじゃん。
何かに、誰かに、合わせる必要いっさいなし。
嫌われなきゃ意味ない。
理解の範疇を超えなきゃ意味ない。
自分の思うままに。
それが自分の芸術に対するまっすぐな向き合い方。
自分の人生。

2016年11月15日火曜日

ノイズの海で溺れたい。

ディレクターの千里さんもロンドンから到着し、『ノイズの海』ついに稽古がはじまりました。写真などでは千里さんの印象はすごくクールな感じなんだけど、実際の千里さんはかなり情熱的でユニークな人なのです。昨日も稽古後に雨の中、言葉と手話を交えた会話をしながら駅まで歩いたのですが、楽しくてテンションが上がります。オーディションの時にもこの不思議な楽しさを感じて、一緒に舞台をつくってみたいと思いました。この魅力がなかなか伝えられないところが難しいのですが、そこにライゾマティックリサーチのみなさんのテクノロジーが融合して音のない世界を目で見、耳で聴く、不思議な世界が浮かび上がってきそうです。

日本の表現の世界はどんどん知ってるもの、分かりやすいもののみを面白いとする風潮に流れていっているように感じますが、こうした未知の領域に踏み込んでいく新しい表現の世界もぜひ楽しみに来て欲しいと切に願っています。触れたことのないものに触れるとき、初めはちょっと不安で驚き戸惑ったり拒絶しそうになったりするものですが、芸術ってもともとそのために存在していたはず。

音を聞いたことのない人がどんなことを感じているのか。
音のない世界ってどんなものなのか。
未知のものに触れることができるって、すごいことだと思いませんか?

まずは自分が稽古の中でどっぷりとその世界に浸って経験してきます。そして今度は本番の舞台でその世界をお客さんと一緒に経験できるようにしっかり届けますので、どうぞ楽しみにしていて下さい。

こちらはライゾマティックリサーチさんがテクニカルを手がけている舞台の映像です。
あうるすぽっとプロデュース『ノイズの海』
アーティスティック・ディレクター:南村千里
ロンドンを拠点に、アジア、アフリカ、欧米など20カ国40都市以上で活躍しているろう者ダンスアーティスト、南村千里。彼女が追求しているのは、身体表現とアート、テクノロジーを融合させ、視覚的に音を表現すること。きこえない世界で、音/音楽をどのように捉え、どう表現するのか。ライゾマティクスが手がける映像デバイスとともに、ライブ映像とダンスで、新たな次元をつくりあげる。
【会場】
あうるすぽっと
【日程】
12月15日(木) 19:00
12月16日(金) 19:00
12月17日(土) 14:00
12月18日(日) 14:00
【上演時間】
60~90分(予定)
【公式サイト】
http://www.owlspot.jp/performance/161215.html
【チケット】
全席指定 一般前売3,500円ほか

Angélica Liddell [una tragedia] 上映後のアフタートークに出演!

12月1日、スペインの演出家Angélica Liddellのドキュメンタリー映画[una tragedia]が千代田区のセルバンテス文化センターにて上映されます。アジアプレミアの貴重な上映となります。上映後のトークにフェスティバル/トーキョーのプログラム・ディレクターの横堀応彦さんと出演させていただきますので、ぜひご来場下さい。
アンジェリカ・リデル ドキュメンタリー映画上映
アンジェリカ 『ある悲劇』(2016)
監督:マヌエル・フェルナンデス=バルデス
F/T15『地上に広がる大空(ウェンディ・シンドローム)』で大きな衝撃を与えたスペインの鬼才アンジェリカ・リデル。同作品が初演を迎えるまでの日々を追ったドキュメンタリー映画を特別上映。上映後には、今年7月にアヴィニョン演劇祭で初演されたアンジェリカ・リデル新作『わたし、この剣でどうしよう』に出演した菊沢将憲(俳優・映画監督)と横堀応彦(F/T プログラム・コーディネーター)によるトークセッションを開催します。
*本上映は、セルバンテス文化センター東京主催「映画・音楽フェスティバル ドゥエンデ」のプログラムの一部です。
【会場】セルバンテス文化センター東京 地下1階オーディトリアム
【日程】12/1(木) 19:00~
【上演時間】 86分
【言語】スペイン語上映、英語・日本語字幕
【入場料】 入場無料(要予約)
【共同主催】 フェスティバル/トーキョー、セルバンテス文化センター東京
“Angelica. A tragedy” (2016)
This documentary by Manuel Fernández-Valdés is about Angélica Liddell, the groundbreaking creator of “All the Sky Above the Earth (Wendyʼs Syndrome)” that was part of F/T15. The actor and film director Masanori Kikuzawa, who appeared in the world premiere of Liddell’s “And what will I do with this sword? Approach of the Law and of the Issue of Beauty” in July at Festival d’Avignon, joins Masahiko Yokobori (F/T Program Coordinator) for a post-screening talk.
Part of Instituto Cervantesʼ Festival de cine y música Duende
Venue Instituto Cervantes (B1F Auditorium)
Date 12/1 (Thu) 19:00
Running Time 86 min.
Language Spanish with English and Japanese subtitles
Tickets Free (reservation required)
Co-presented by Festival/Tokyo, Instituto Cervantes

2016年11月14日月曜日

養老天命反転地万歳!

岐阜にある養老天命反転地へ。荒川修作➕マドリン・ギンズによる壮大なアートプロジェクトです。二週間前にその存在を知って、「いつか行かなくては」と心に決めて、でも場所がよく分からないから難しいかなと思っていたところ、「おーい、大石」上映で名古屋に来ることになって、PFFの方から名古屋周辺のおすすめスポットとして教えていただいたのがこの『養老天命反転地』でした。片道1時間半かけて岐阜に来て、ここにいられる時間はたったの2時間!だけど充分でした。駅で場所を聞いたおじさんが、「電車で来たならタダ券あるよ」と入場料無料の券をくれました。荒川修作&マドリン・ギンズが呼んでいる。そして『養老天命反転地』。これすごすぎます。ずっと一人で「すごい、すごい」と感動し続けです。荒川さんは若い頃、三島由紀夫から挨拶がわりに手渡された本を「くだらない」と窓から投げ捨て三島由紀夫と大喧嘩して、二人を紹介した兄貴分の岡本太郎を困らせたり、一緒に住んでいたボブ・ディランに「お前はこれを聴いてもっと俺を尊敬しろ」と渡されたディランの大量のレコードを「音楽なんてくだらない」と投げ捨てたという剛の者。ガウディのグエル公園に匹敵するスケールですが、そうした人柄が醸し出している「簡単に楽しめると思うなよ」という気軽に人を寄せ付けない強いオーラがこの空間全体から漂っており、すでにテーマパーク化していたグエル公園よりも強く心に訴えかけてくるものがありました。もちろん、完璧なわけではなく、アラを探せばいくらでも出てくるとは思いますが、『やろうとしてることが壮大過ぎて、その速さ大きさに他のことが追いつけていけてない』状態までいっている人の作品を必死になって実現しようとしたその全員の気迫がみなぎっています。歩き回り、よじ登り、はいつくばり、よろめき、手探りで、全身で楽しんで、エネルギーを使って、使った分、新しい別のエネルギーをもらって帰る場所。『養老天命反転地』。今つくっている映画も、やろうとしているのはまさにこんなこと。完成出来ないんじゃないかって思うぐらい、でかいことを目指す。バラバラになりそうなすべてをグッと結びつけてひとつにする。それはもう気迫であり、胆力。たくさんの勇気と刺激をもらって名古屋へ向かい『おーい、大石』名古屋上映を終えたのでした。

2016年11月12日土曜日

年間250本。

『10000枚の絵を描けば、君も画家になれるよ』とピカソは画家を目指す日本人の若者に言った。単純に数で言い表すピカソのこういう表現は大好きだ。

ああだこうだ言う前にひとつでも多くのものをつくること。たまたまひとつだけつくった人が永遠に残る名作をつくるのと、10000作つくった人がひとつだけ永遠に残る名作をつくるのとでは同じひとつだけとしても、自分は後者の方が好き。大好き。

画家は10000枚。では映画は?10000本?そんなに映画を撮れた人がこの世にいるのだろうか。例えばあと40年生きるとして、10000本取るためには一年に250本の映画を撮る必要がある。年間250本なんて見るだけでも大変なのに、撮るとなると1.5日に一本のペースで撮り続けても間に合わない。果たして可能なのか?

しかし、『あと40年生きるとして』と簡単に書いたけれども、もし一年後にポーンと車に跳ねられて死んだとしたら、今時点で自分の寿命はあと一年ってことになる。もしそれを知っていたら、今、自分はどんな風に生きているだろうか。その生き方と、今の生き方に差があったりするのだろうか。
幸いにして、今その差はないように感じる。自分の力で何とかなることに関しては、最大限やっているから。でもきっとまだやれる。

10000本とはいかずとも、少なくとも1,000本は撮ってみたい。
それでも年間25本。どうだ?無理か?
だったら何本なら撮れる?
何本なら撮れるんだ?

2016年11月9日水曜日

『おーい、大石』名古屋上映!

【PFF in 名古屋】
映画監督作『おーい、大石』名古屋上陸です!
2016年11月13日(日) 13:30~ 
@愛知芸術文化センター アートスペースA
アフタートークに出演します。お客さんいっぱい入って欲しい!
名古屋にお知り合いがいたら、ぜひお知らせお願いします!
愛知には何度か行っていますが、名古屋は初。見逃したアワード作品と名古屋城を堪能、あとは面白いことやってる面白い人たちが集まってる面白い場所を見つけたいです。
『おーい、大石』を上映したいという人たちが声をかけてくれていて、年末から来年春にかけていくつかの場所で上映が決まりそうです。またそこでもたくさんの人に会えるかと思うとワクワクします。今、製作中の新作もとても可愛い映画なのできっとたくさんの人に愛されると思います。やりたいようにやるし、ジャンプするとこはどこまでも目一杯跳んでいくけど、やっぱりそれを見て笑ってくれたり喜んでくれたりするお客さんのことを考えるとうれしいから、そのことだけ考えてつくりたい。それを全国の人に見てもらいたい。アウルスポットプロデュースの公演『ノイズの海』の稽古もいよいよ始まります。今、手話を一生懸命練習中です。英会話に、スペイン語に、手話に、もう本当にごっちゃごちゃやけど、時間もぜんぜん足りてなくて机の周りにはいろんなものがどんどん積み上がっているけど、目の前のひとつひとつを。たぶん終わりがないから机はもう片付かないと思うけれども。

平和活動に飽きたキクザワは、橋の下に暮らす大石に再会。そこらの葉っぱを吸ったり劇をしてみたり、おっさん2人の突飛な行動に、喪失、自由、人生、友情が、ポップに炸裂!
PFF.JP

2016年11月5日土曜日

京都を歩いて考える。



京都の街を歩くと、いい建物が多いが故にその隣にある何も考えていないコンクリートの固まりを見てがっかりすることが多い。『その建物の隣にこんなの建てて何とも思わないの??』って不思議で仕様がない気分になります。東京ではほとんど全ての建物が『ただのコンクリートの固まり』なので気にならないのですが。東京はある意味、その統一感がある街なのですね。美しいものからぶち壊し醜いものをわざわざ建てる、世界にもなかなか例のない面白い街です。ルールのまったく存在しない世界一アナーキーな街。すごい。
しかし、確かに耐震構造とか使い勝手を考えると現代的にならざるをえない、素材も変わらざるをえない、というのは分かります。分かるけれども、せっかく日本の昔の建築家が持っていたこの美意識をここまで捨て去ってしまってどうするのだろう?そういうことを考えた建築家は日本にはいなかったのかなと思いながら歩いていたら、いい感じの寺町にどーんと存在感のある建築物が登場しました。その前に立っていた看板を何となく見ると、今まさに考えていたことの答えがあり、そういったことを考えていた建築家に出会うことが出来たのです。
その建築家の名は伊東忠太。その考えは『建築進化論』。
詳しくは写真の看板に書かれてある通りなのですが、『日本建築の木造伝統を進化させる』という彼の考えは、今の日本の建築にとって非常に重要だと考えます。
今の日本には『建築家』と呼べる人はほとんどいません。
一人くらい、京都の重要文化財の隣に雰囲気ぶち壊しの建物を造ろうと注文してきた雇い主に、隣にある建築物の重要性を教え、その隣にあるに相応しい建築物を啓蒙して建てさせるくらいの人はいないのだろうか。建物が美しくなれば、人の心にもいい影響を及ぼし、その建物自体も大きな財産になるというのに。
その点、中国の烏鎮という街の存在感は圧倒的でした。
ひとつの企業が美しい景観を残した村をまるごと買い取り、保存し、管理し、ひとつの桃源郷を完全に表現しているのです。東のヴェニスと呼ばれる美しい街を。こうした心あるお金持ちのちょっとした粋なはからいが、人々を喜ばせるユートピアをつくり出し、かつたくさんの人を集める大きなビジネスになっているのです。中国のお金持ちは圧倒的に豊かですよ。
お金の多い少ないが豊かさの尺度ではないのです。豊かな心がお金を扱うから、その豊かさをさらに多くの人に分かち合うことが出来るのです。そしてまた多くの人が豊かになっていくのです。日本には豊かな心を持ったお金持ちはもういません。悲しいことですが。けれども、今、お金を持っていなくても豊かさを持つことは出来ます。その豊かさを持てば、『貧しさ』はどこかに消えていきます。
京都の江戸時代から続いている美しい建築物の隣の土地に建物を建てる権利を手に入れたとき、あなただったらどんな建物を建てるでしょうか。
街の未来は本当に、私たち一人一人全員に責任があるのです。

監督作品『おーい、大石』本日16時 【PFF in 神戸】にて上映!

監督映画です。
本日11月5日は11時から、A・B・C・Dと4つのプログラムで合計11本の映画が上映されます。神戸アートビレッジセンターで自主映画を1日かけてどっぷり楽しむのもおつなもの。『おーい、大石』の関西での上映はしばらくありませんので、ぜひとも足をお運び下さい。他のどの映画も全部、一見の価値ありです。
関西のみなさん、どうぞお楽しみ下さい!よろしくお願いします!

平和活動に飽きたキクザワは、橋の下に暮らす大石に再会。そこらの葉っぱを吸ったり劇をしてみたり、おっさん2人の突飛な行動に、喪失、自由、人生、友情が、ポップに炸裂!
PFF.JP

アンジェリカ・リデル『ある悲劇』上映後のトークセッションに出演します。

【トークセッション出演】
12月1日にアンジェリカ・リデルのドキュメンタリー映画『ある悲劇』がセルバンテス文化センターにて上映されます。今回の東京での上映がアジア・プレミアになるそうです。その上映後のトークセッションにフェスティバル/トーキョーのプログラム・ディレクターである横堀応彦さんと出演させていただきます。入場無料で座席数に限りがありますので、ご希望の方はお早めにお席をご予約下さい。
アンジェリカは残念ながら来日なりませんでしたが、アンジェリカとの日々の中で感じたことを、俳優・映画監督としての視点からいろいろお話しさせていただきます。先日、発売された『シアターガイド』12月号にアンジェリカとの日々を書かせていただいた「俳優・菊沢将憲の創作参加レポ」こちらもどうぞ併せてお読みいただけるとうれしいです。当日、会場でお会いできるのを楽しみにしています。
アンジェリカ・リデル ドキュメンタリー映画上映
アンジェリカ 『ある悲劇』(2016)
監督:マヌエル・フェルナンデス=バルデス
F/T15『地上に広がる大空(ウェンディ・シンドローム)』で大きな衝撃を与えたスペインの鬼才アンジェリカ・リデル。同作品が初演を迎えるまでの日々を追ったドキュメンタリー映画を特別上映。
上映後には、今年7月にアヴィニョン演劇祭で初演されたアンジェリカ・リデル新作『わたし、この剣でどうしよう』に出演した菊沢将憲(俳優・映画監督)と横堀応彦(F/T プログラム・コーディネーター)によるトークセッションを開催します。
*本上映は、セルバンテス文化センター東京主催「映画・音楽フェスティバル ドゥエンデ」のプログラムの一部です。
会場 セルバンテス文化センター東京
地下1階オーディトリアム
日程 12/1(木) 19:00~
上演時間 86分
言語 スペイン語上映、英語・日本語字幕
入場料 入場無料(要予約)
共同主催 フェスティバル/トーキョー、
セルバンテス文化センター東京

演劇、ダンス、アートに出会う国内最大規模の国際舞台芸術祭。フェスティバル/トーキョー16開催決定!
FESTIVAL-TOKYO.JP