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2014年12月10日水曜日

わっしょいハウス「夜光」@SNAC


わっしょいハウス「夜光」@SNAC

椎橋綾那さんの一人芝居。
出てきて第一声、見た目のイメージと違う低音の声がいいなと感じる。
何より脚本がいい。迷わず購入。
演出と相まってこれまで観てきた一人芝居に感じるあの「嫌な感じ」をまったく感じさせない。
脚本、演出、演技、音楽、空間がいいバランスで調和していた。
終演後のアフタートークにチェルフィッチュの岡田さんが出てきて驚く。
イメージと違う何でもありのおっさん具合がいい感じ。
いろいろ気になる言葉がぽろぽろ。チェルフィッチュ、面白そうだなあ。
帰り間際、作・演出の犬飼勝哉さんとお話させてもらう。
面白そうな人だ。
開場からずっと案内の仕事やってたから、SNACのスタッフの人だと思ってた。
1800円、本当に安くていい芝居でした。

1800円と言えば、芝居では安い方だが映画が一本観れる。
舞台役者としては舞台を観たいと思うけれど、外したときのショックを思うといつも勇気がいる。
3500円なら映画二本、安いとこなら三本分に匹敵する。
舞台をやってる自分でさえ勇気がいるのだから、一般の人の勇気ははかり知れない。
学生演劇でも、小劇場でも、大劇場でも、芝居は芝居。
安かろうが高かろうが芝居は芝居。
再演作品でもない限り、チラシをつくった時点では、大抵の芝居は何もカタチが見えていない。
やる側も賭け、観る側も賭け。
作品もあらすじも内容も写真も予告編も何もかも完成している映画とは大きな違いだ。
舞台には舞台のよさがある、というがそれは映画も一緒だ。
「舞台は生だから」というならその生で観るだけの価値がその舞台役者にあるのか、と問いたい。
舞台をつくるすべての人間が、舞台全体の運命を握っている。
外食のように「ここはまずかったけど、あっちの店は美味しいはず」などとお客さんは考えてくれない。
面白くない芝居を一本観たその瞬間が、そのお客さんの中の「芝居」が死ぬとき。
「面白い」は人それぞれと言うけれど、そんなものは真剣に舞台を観ていればすぐに分かるはず。
一本の面白くない舞台が、大勢の役者を失業させる一因を担っている。

「芝居は面白くなくちゃいけない」野田(秀樹)さんがいつも言う言葉。
限りなく当たり前の言葉のように聞こえるけれど、重みが違う。
芝居と共に生きていきたいのなら、面白い芝居をつくることに人生を捧げるしか道はない。

面白い芝居に、心から感謝。

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